八幡平クマ牧場の事故について

4/20に八幡平クマ牧場で起きた痛ましい事故…。
結果的に六頭のヒグマが射殺され二人の方が亡くなりました。
この事故は亡くなった方もヒグマもどちらも被害者であると感じます。
地元秋田県の事故ということと自分が県の動物愛護推進員であるという立場もあって、色々と思う所が多くあります。

私自身はここの施設を訪れたことはありませんが、ここの飼育状態がひどいという話しや、動物管理センターの所長が何度も足を運んでいると言うのも前から聞いてます。

今回はヒグマによる事故という事で普通にペットを飼ってる人から見たら遠い話題に感じるかもしれませんが、私にはどうしても犬の飼育で起きる問題やあるいは事故と同じような視点で考えています。

どちらも人が望んで野生から人間社会に招き入れた動物です。一方は歴史があって家畜にはなっていますし、もう一方は野生動物ではあるのですが、両方人間社会で問題を起こしたら弾かれてしまう存在です。
人間が望んで招き入れたのならば、人間社会でその生き物としてせいいっぱい幸せに暮らしてもらうために努力を要します。それは犬だったらしつけをはじめとした扱い方であり、クマだったら施設の安全面の配慮もあります。そうしてどちらも養うには資金が必要だという事です。

クマ牧場に訪れる人は年間で500人程度。ここは何度も経営者が変わり、今の施設では年で200万円もの赤字を出しているそうです。
劣悪な環境で飼われている状態は良いとは言えません。しかし、閉園をした場合に残されたクマはどうなるのか?
クマを殺すには忍びないから閉園は出来なかった。
経営者も世話をしていた飼育係の方々も、そうしてここの施設の指導にあたっていた県職員もみな、情があったのだと思います。
でも、このままでいってもいずれは崩壊していたのだろうと思います。

私はヒグマは専門ではないのでヒグマ博士に聞いたら今回人を襲ったクマは正常な精神状態ではない、とのこと。
ヒグマと言うと今回のような人を食べてしまった事故がより大きく取り上げられるので、凶暴な肉食獣というイメージが先行してしまい、必要以上に恐れられてしまいがちですが、実はとても頭のいい動物で人がいれば自分から姿を隠し逃げる程で、自分から人間を食べようと狙って来る事はまずないそうです。
しかし餌を満足に与えられず、長年飼われてしまうと精神に異常をきたした「狂った動物」になってしまっているそうです。こうなるとどこかの施設での飼育は不可能であると言われてます。

確かに正常な状態ではない動物をどこかの施設で飼う事はその動物の悪印象をつけかねません。
犬でさえ、間違った印象でみる人が少なくはない中、ましてやヒグマなどはどういう動物かきちんと判ってる人など、この日本でも本当に少ないと思います。

そうしてこれだけの数のヒグマ達をこの先30年近くきちんと飼う事が出来る所が果たしてあるのでしょうか…?
私も個人の感情では人間が招き入れたのに、人間の勝手によって殺されてしまうのはいたたまれません。
しかし、現実問題を見るとやむなく殺処分となるのは仕方ないと感じます。

私自身は動物が大好きだし大切にしておきたい。でも、どうも一般的に言う愛護とか保護とかはなんか違うんだよなぁ…と思ってる方で、なんでも可愛そう!殺すな!というのにはどうしても同調出来ないタチ。

今回、週刊新潮の記事を読んで一番反応したのは地元猟友会の方々の働きとその腕の良さ。
至近距離でヒグマを撃ち止めるなんてさすがです。やっぱりマタギの血統なのかな。

動物や自然に対して愛護保護って言葉はどうも自然と切磋琢磨して生きてる感覚から遠い感じ。
どっちかというと人間は自然に与えられて生かされてるし、動物とは距離を上手く取りつつ共存して行きたい。
でも肉も喰うし、文明の恩恵にはしっかり預かってるし、ペットも飼う、動物園も反対じゃない。ハンティングも条件付きでOKな人。

そんな人間なのでクマを殺さないでとは言わない。

無理に生かしておいても、よくある多頭飼育崩壊を起こしかけてている保護施設と同じような「飼い殺し」状態になってしまうのは目に見えてる。
そうして殺処分するのであれば、その日まではヒグマ達にお腹いっぱい美味しいものを食べて欲しい。(聞いたらやはり鮭が大好物だそうです)

今後の事は県外の動物愛護団体が県との話し合いをして決めて行くようです。大きい組織としての団体の協力を仰ぐと共に、こういう事例の場合はきちんとヒグマの専門家の意見を取り入れて県側が対処して欲しいと願います。

こういう事があったのは風化させず、何か施設などで形にして残してもらえないのかな…。
この先、動物愛護を真剣に考えていく機会をヒグマ達が与えてくれたのだと受け止めて、反省を生かしてくことがせめてもの供養になるのではと感じています。

(今回のは私の個人的な見解ですので、愛誤な方のご意見は無用です)

↓お薦め!ヒグマ博士の著書。


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姫川明のシートン動物記

友人の姫川明さんがガクマンプラスで描かれていた「シートン動物記」が一冊の単行本になりました。



雑誌掲載時も読みましたがこうしてまとめて読むと幼少の時に夢中になった思い出が蘇ってきます。
自分がオオカミを好きになって憧れてる原点がここにあるな…と。
描き下しの「白いトナカイの伝説」実は原書を読んだ事がないのですが、絵柄と相まってとても幻想的に描かれています。

姫川さんの描く動物達、特にオオカミの絵は野生の持つ荒々しいエネルギーと繊細さを併せ持ってます。
日本でこれだけの生命力溢れるオオカミを描ける作家というのは本当に貴重です。(個人的には日本一と思ってます)
リアルだけど写真画ではなく…漫画的表現だけど動物に嘘がないというのか…。
オオカミをはじめとして野生動物が好きな人、人間と動物の関わりについて知りたい人、たくさんの人に読んでもらいたい本です。
あ、漫画だけどこれは学校の図書室に是非置いてもらいたいな~なんて思います。

PS
ジュンク堂池袋店でシートン動物記フェアが行われてるようです。
http://www.doshinsha.co.jp/event_news/index.php?genre=2
こちらは原作本の刊行完結記念ですね。

動物愛護推進員

先日、動物愛護推進員の委嘱式があり前年度に引き続き秋田県の推進員に任命されました。
これから二年間、色々とまた動物たちの為に動いていく事になります。
今月の28日には大仙市で犬のしつけ教室が有りますのでそちらのお手伝いに行きます。
是非、会場でお会い致しましょう。

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「ロボ おおかみの王」

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今月発売されたガクマンプラス(学習漫画雑誌)にシートンの「ロボ おおかみの王」が掲載されています。
漫画は友人でもある姫川明さん。ブログにも今回の漫画が紹介されています。
http://seisaku.himekawaakira.com/?eid=1107961

お話自体は判っているんですが…やっぱり泣けちゃいます…。
一番、ジーンと来たのはロボが捕らえられて行く中、縄張りだった渓谷を眺めている顔。
それまで猛々しく雄々しかったロボがはじめて見せた哀しみの表情。
ブランカを、群れを失い、動揺するロボ。しかし人間サイドから見たら死活問題ですからね…。
ロボに思い入れしつつも、自分だってもしも同じ立場だったら迷う事無く同じように行動するでしょう。
(都会にいてぴんと来ない人はお給料をすられたのを想像してください^^;)
でも、今は人間側だって動物の生態をしっかり調べて努力していけば無駄な衝突は最小限におさえられるとは思うので…。

姫川さんの漫画はロボの立場も人間の立場も両方の視点をしっかり持って描かれています。
ブログにも書いてありますが、本当、どちらかが「悪」ということではないんですよね。
子供の時はどうしてもロボに肩入れして読みますが、大人に成って行くにつれて人間と動物との関わりの現実を知り、経験する事で更にシートンの作品をまた違った印象を持って読む事が出来るようになります。

と、そういうことを抜きにしても狼の絵がものすごい迫力と魅力でさすがです!
にやりと笑うロボとか最高!
シートンや狼を好きになるきっかけを与えてくれるすごく良い漫画なので是非、沢山の子供達に読んでもらいたいですね。

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『熊のことは、熊に訊け。』

私の友人で、ハイネの子供である魁くんのオーナーさんがこのたび本を出版されました。

『熊のことは、熊に訊け。』
岩井基樹・著 つり人社発行 368ページ/1995円(税込)




<著者/岩井基樹氏について>
地元の人が「羆(ヒグマ)の巣」と呼ぶ北海道・北大雪に拠点を構え日々羆の研究に明け暮れる。
羆の研究の他にも若クマの忌避教育、ベアドッグの育成、釣り人を対象とした羆の講演、行政への働きかけなど「人と羆の共存」を目指す。

<内容>
第1章・『ヒグマは「食いしん坊」』
第2章・『ヒグマは知能が高い』
第3章・『ヒグマに遭わないための戦略』、
第4章・『もし、ヒグマに遭ってしまったら』

****

昨日、読み終わりましたがものすごい迫力と熱意のこもった本です。
アラスカでの長旅を経験して、北海道でも羆との直接的やりとりを通じ、経験から羆という生き物はいったいどういう生き物なのか?が生々しく羆の息使いが感じられる位リアルに伝わってきます。

映画や小説で『狂った眼差しで牙を剥き人と見れば襲いかかり喰い殺す、怪獣のような存在』として描かれているために、まるで本物の羆もそのような生き物であるという誤解を多く与えています。
フィクションはフィクションとして楽しみながらも、実際に羆のいる地『ベアーカントリー=北海道』に足を踏み入れるのならば双方の悲劇を生まないためにも、この本を読んで正しい羆の姿を知る必要性を強く教えられました。

400P近い本書ですが、その文章力の高さと力強さのあいまった魅力で一気に読ませられます。
羆に興味のある方に是非、読んで頂きたい一冊です。


以下、もっと個人的な感想。
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プロフィール

HERO

Author:HERO
狼犬のブリーダー15年やってきましたが看板下ろして、これからは愛犬とののんびり生活に入ります。
2001年にHigh%の狼犬ロックを迎えてからこの犬にはまり、躾やトレーニング、繁殖、保護など様々に関わって来ました。
今現在は四頭の狼犬と一頭のチワワで豪雪地帯の秋田県でのんびり楽しみながら生活中。
出来る範囲で犬の愛護保護にも関わってます。命の教室に狼犬と共にボランティア参加。
今は狼犬の飼育体験を元にした同人誌を発行。アリスブックスとコミックZINにて通販中。
首都圏を中心にコミケや生き物系イベントにも参加しています。
動物取扱業/秋田県 販売 動15-25

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